解散って。

いつものようにサイトを巡回していたら、ここ2年ほど追い続けていたインディーズのバンドが1月で解散すると発表していた。
 すごく寂しくなった。

 3年ほど前から勤務先が都内に変わったので、今の家に引っ越すまで新宿が通勤経路になった時期があった。当時の新宿駅の周りって、路上で演奏するミュージシャンがたくさんいた時期で、東口ならアルタ前、西口なら京王百貨店の前、南口ならルミネの前とかに、夕方になると3つか4つくらいのグループがいつもいるような状態だった。その中のひとつが彼女たちだった。といってもヴォーカルが女性で、ギターとキーボードは男なのだが。

 彼女たちには、行動を共にすることの多いもうひとつのバンドがいた。このバンドが主宰するレーベルがあって、彼女たちはそこに参加していたのだ。そして実際に演奏を聞き、何度となく僕は路上に足を運んだ。僕は主宰者のバンドの方と交流していたので、だいたいその方面でライブを見に行ったりしていた。そこにはたいてい彼女たちもいて、だから自然と顔見知りというか、そういう関係になっていた。ある日のライブではステージの上からサインを入れたボールを投げた。僕がキャッチしたそのボールは、今でも僕の部屋にある。

 彼女たちの曲は一時期CMにも起用されて、実際にテレビで流れるのを見たことがあるくらいまで成長した。しかし、2005年の半ばになってキーボードが活動しなくなった。サイト上にハッキリとした理由は公表されなかったが、その前の日記に、飼っていた犬が死んだ、という記載があってそれが理由のようなものになっていた。
 バンドは実質的に活動休止となった。しかし残った二人は秋口に二人だけで路上で歌った。偶然僕はその時に見かけることが出来たのだが、アップにしていた髪もおろしていて、新しい活動のような感じになっていた。彼女に話を聞くと、キーボードは正式には脱退なのだという。そうかと思った。戻ってくるのかどうかわからなかったものが、僕はそれである種納得していた。残った二人で行けばいいのだと。
 
 クリスマスの日、新宿のライブハウスでレーベル主宰者のバンドがライブに出るというので見に行った時のことだ。脱退したはずのキーボードの人がいた。残りの二人もそこに見つけることができた。そして年が明けて、彼女から「今年は勝負の年になりそう」とメールが来て、いよいよ二人での活動が本格化するのかと思った。そうしたら、この知らせにぶつかった。感じたのは、何かが終わってしまったような感じだった。それほど彼女たちを推していたわけではなかったのに、無性に寂しい気持ちが起きていたのだ。


結局、ギターはレーベルから離脱し、キーボードは裏方を含めた制作の方向に行く意向を明らかにした。彼女はソロ活動で再起することになった。3人がこれからどうなっていくのかはまだハッキリしていないが、これから彼女たちがどうなっていくのかは、引き続き見ていきたいと思っている。