清水佐紀誕生日&竹取物語の話。

11月22日は清水佐紀ちゃんの誕生日です。
おめでとうございます。ちっちゃくてかわいかったイメージの彼女から、少女らしい成長の姿へと変わっていく彼女。ベリーズを応援する私たちにとっての感慨を呼び起こす。そんなグループのキャプテン佐紀ちゃんは16歳です。


さて、ここ数日更新が滞っていたのは、実を言うと「竹取物語」を読んでいたからです。
先日書いたとおり、「付きあってるのに片思い」のPVは竹取物語を基にしているのは明白ですけど、自分の中のストーリーは「竹取の翁が竹の中からかぐや姫を見つけてすくすく育ったら月に帰っちゃう」程度のものでした。でもしっかり読んでみると、求婚者に超無理難題を突きつけて失敗すると「あーよかった」と言うかぐや姫の悪ぶりとか、不意を装って家に入り込んだ帝がかぐや姫の袖をつかむと姿を消してしまうとか、じいさんが「月から天人がきたら目ん球くりぬいてぶっつぶしてやる」と意気込むとか、いろいろなシーンの面白さがあって物語としても面白かったです。
 これをどうやってベリに結びつけようかと思っていたのですが、細かく読むと、かぐや姫が地上に送られた原因は月で罪を犯したゆえ、とのこと。実際、帝の使者との面会を断る時には「国王の命に背くというのならさっさと殺してよ」とか「宮仕えをしたら死んでやる」とか、わがまま娘そのものでした。月でもわがまま放題だったのでしょうか。それが帝との文のやりとりを続けたのち、昇天の時に至っては、さっさと月に連れ帰ろうといらだつ天人を制して、あわてることもなく「最後に言い残しておくことがあります」と帝への文を認める。
 物語はかぐや姫の内的成長の物語ということもできるわけです。それを当てはめるならば「あなたなしでは生きていけない」「ねぇいつだって安心したいのよ」などと歌っていた彼女たちが、「素敵な女性になるために 涙を我慢しても」「激しい恋に疲れたわけではないけれど 大人に近づくたび思う」などと歌ったりする。そこを考えるならば、時々見かける「最近のベリは大人な曲ばかりで面白くない」という感じの意見ももっともですけど、そういうところも成長として認めてあげたいなって思います。

 帝とかぐや姫がやり取りしていた文は当時の風習で言えば歌です。つまり短歌。それがかぐや姫の心を動かしたということも物語にはあります。自分がこの世の人間でないという事実を、帝に知られてしまったわけですが、それでも彼女を慕って歌を詠んだ帝に、かぐや姫の心は動いたという流れもあります。今ちょうど、ベリーズ短歌工房に歌を詠んでいる方もいると思います。そう考えると今このPVが竹取物語だったのも、なかなか面白いものがあると思いました。

 かぐや姫が最後に帝に贈った歌は

いまはとて天の羽衣着る折ぞ君をあはれと思い出でける
(今はもうこれまでと思って、天の羽衣を着るのですが、この時になって帝を心よりお慕いする気持ちがしみじみとわいてきます)

多分、舞波が卒業する時には、他のメンバー推しだった人もそういう思いはしたのではないでしょうか。そんな舞波の誕生日は11月20日。彼女も15歳になりました。今は普通の学園生活を送っているのでしょうか。
控えめにお祝いしましょう。

参考文献:竹取物語(全) (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)