回顧特集

あと何日で今年も終わるから、ってことで回顧特集といこうと思うのですが、こと自分の場合プライベートの方で大変革の年でして、一足早く「革命元年」となってしまいました。
といっても年頭の時期からなにかしていたわけじゃなくて、深夜の帰宅後にすることと言えば風呂、メシ、そして深夜のアニメを見るというくらいの楽しみしかありませんでした。
その中で熱心に見ていたのが「true tears」というアニメでした。ちょっとした話題にはなった作品だったんですけど、世間的なブームになったほどではない、そんな作品でした。その中でメインヒロインの「あなた、飛べるんじゃない?」という台詞がありました。それはきっかけのひとつでした。もともとのきっかけと言えば内館牧子の「夢を叶える夢を見た (幻冬舎文庫)」という本で、教師の職を捨てて力士となった智乃花とか「このままではいけない、人生変えたい」と思って会社を飛び出した人、勇気を持ってそうしなかった人、そういう人たちを取材して書いた彼女にしては珍しいノンフィクションなんですけど、この本とアニメが「あなた、飛べるんじゃない?」を媒介として自分の中でリンクして、自分も飛びたい、人生を変えたい、そういうことを思うようになりました。
 そうして、4月に会社に辞める、と言いました。きっかけはちょっとした店での事件だったんですけど、それでもう、自分はここにはいられないって思ったんです。「あの店で働く書店員としての僕は死んだ」。そんなことを当時書きましたけど、その言葉に嘘はないです。死んでいるみたいに働きたくなかったんです。だから、飛びました。
 当初、聖誕祭までに決めてやるつもりでいたんですけど、そうはいかず、夏が来て、オリンピックが始まって終わって、自分はいったいどうすべきなのか、そういうことを悶々と悩み続けて、知り合いには「あの時のアンタは、やばかった」とまで言われるほど。悩みながら応募はしても結果は出ない、そんな状態でした。
 結局、自分は今まで書店員としての人生を歩んできたわけで、その中で自分は仕事の上での達成感をつかみたい、そういうことに渇いていたのだと今は思います。
今の店に採用されたのは9月のこと。それから2ヵ月後の11月には引越しをして、自分の環境はすべて変わりました。悪戦苦闘は今も続いています。想像とは違って「書店っていうのはどこも変わんないなぁ」と思ったりとかすることもないわけじゃない。でも、少なくとも、死んでるように働いてはいないですよ。今の自分は。
それが、僕の「革命元年」です。

true tears vol.1 [DVD]

true tears vol.1 [DVD]