true tearsご来城記念ファンイベントの話(その3)。

午後の放映は13話(最終回)でした。「リフレクティア」にのってエンドロールが流れ、「おわり」の文字が浮かんで数秒、場内は大きな拍手に包まれました。
数秒後。眞一郎を演じた石井真さんの仕切りでトークイベント、スタートです。
「こんにてぃあー!」と元気よく入ってきたのが、石動乃絵役の高垣彩陽さん。イベント等で感極まって涙ぐむことの多い彼女は今回も涙ぐみながら挨拶します。湯浅比呂美役の名塚佳織さんは茶だった髪を黒く染めて登場。ヒロイン3人によるネットラジオの中では仕切り役でしたが、今回もお姉さん風味のたたずまい。安藤愛子役の井口裕香さんは1年半ぶりの城端訪問。やや控えめに登場です。そして西村純二監督とシリーズ構成の岡田磨里さん入場。岡田さんってこういう人なんだ〜って。今絶好調な脚本家ですから、気になっていました、実は。

 トークの中では監督が豪快な発言をするんで、そこがすごく楽しかった。自分の記憶の中から取り出してみますと、
「俺こういうの多いんだけど、別の監督がダメになって自分に回ってきたんだよ」
「原作はどうでもよくなって*1
とか。こういうのもありました。
「『俺たちの好きなものができるぞ』って監督に言われて、誰ですか俺たちって」(岡田)
 岡田さんと西村監督は「シムーン」で、かなりきつい状況の中でシナリオを書き続けた仲という過去の経験があるのですが*2、そういった戦友意識が「俺たち」の中にあるのかもしれません。そんな岡田さんが選んだエピソードが1話で、それについても監督が「一点突破・全面展開」とシリーズの方向性とかを決める前に岡田さんに1話のシナリオを書いてもらうことで、種々の方面を納得させようと考えていたようです。なのでこの時点では乃絵と比呂美のどちらが眞一郎とくっつくかは決めてなかったそうです。その話も手探りの状況の中で、アフレコのときもいろいろとキャストにダメ出しをしたそうですが、話が進んでいくにつれて、役者もつかめてきた様子で、「監督つまんなそうな顔してますね」とまで言われるようになったとのこと。
 その演技において、
「『言っちゃった……』という台詞で「比呂美すごいな」と一種スイッチが入った感じがした」
 という点で6話を選択したのが名塚さん。「役者冥利に尽きる」とまで言いましたが、比呂美を語る名塚さんには、演じることへのこだわりが言葉のいろいろな中に感じられました。

「いろいろと頭で演技を考えていたんですけど、眞一郎に追いかけられて、手をつかまれて「ひゃっ」というシーンでは考えることじゃなくて本能で声が出ました」
 といったのは高垣さんで、その7話を選択。その7話には、眞一郎が「俺と、付き合えよ」と乃絵に告白し、石で「のえがすきだ」を描くシーンがありましたが、監督の息子が実際にその「のえがすきだ」を再現したそうです。その画像は自分も作品の公式ブログで見ていますが、高垣さんはその画像を携帯の待ち受けにしていたそうです。そのときは「マイクの前で恋してました」とまでの思いをしたそうです。
 
放映当時大評判だったのが10話でした。その10話を選んだのが監督でした。しかし……「これは監督として選んだ。ライターならば9話」とも。9話は監督が西村ジュンジの名義で脚本を書いていますし、10話は森田真由美さんが書いています。で、その監督の脚本については岡田さんが「監督の脚本は書きたいことを書く脚本で、森田さんはしっかりとした構成から入る脚本を書く」と評しています。なので、物語の流れにおいては、シーンのやり取りをしたり、火花を散らしたりしたこともあったそうです。
 そのシーンのやり取りをした箇所として取り上げられたのは、11話の愛子と三代吉がよりを戻すシーン。そこは10話に入れる予定だったのを挿入歌を入れる都合上により11話の方に回したのだそうです。その11話を選択したのが井口さん。
「私、最初から三代吉派でした」
といった井口さんでしたが、二人が別れたあとのいろんな方向からのプレッシャーで救わないといけないと思った、とも監督は言ってます。
そういうエピソードなんかがありながら、監督がトークコーナーの最初で三代吉の名前を思い出せないという場面も。
 監督、面白すぎます。

 長くなっちゃったんで一旦切ります。
 ちなみに最終13話を選んだのは後で登場した永谷プロデューサーです。ラストシーンでの涙は本当に乃絵のものだったのだろうか、ということを周りと話し合って、いろいろ思うところがあったのだそうです。

次回はイベントの残りの部分について書く予定です。

*1:そこを「真実の涙」というテーマは尊重しましょうと、岡田さんに引き止められたそうです

*2:脚本家2名が11話で降りてしまい、以降26話までは監督と途中参加した岡田さんだけで脚本を書いています