汐宮栞と電子書籍の話。

 「神のみぞ知るセカイ」のヒロインの一人、汐宮栞は本の電子化には否定的な考えを持っているようですけど、自分は比較的受け入れる側です。iPadもギャラクシータブもガラパゴスキンドルも持っていませんが、そういう考えに立っています。
 「ディスプレイの文字のどこに、あのページをめくる緊張感があるというの?」 という栞のモノローグも理解できないわけではないのですが、それでも電子書籍のメリットは少なくないと思っているからです。
 自分が考える電子書籍のメリットは「品切れが起こらない」ということだと考えています。書籍が今の形である以上、流通のどこかでどうしても在庫の物理的限界が来ます。まず、書店に行くと必ず目当ての書籍があるとは限らない。注文したら品切れといわれる。そういうことは何度も経験しています。それによって自分が書店の店頭でクレームを食らったこと、それもまた一度や二度ではありません。図書館で文芸書を借りて読む人も多いと思われますが、例を挙げれば村上春樹の「1Q84」を借りようとしても予約待ちの状態で長い間待たされることになったそうです。BOOK1の順番が回ってきた時はBOOK3が発売されていたとのこと。絶版本も購入できます。漫画家の赤松健が、絶版になった漫画を電子化して売るためのサイトを立ち上げた、という記事も読みましたが、作者としてもそういうメリットはあるのかもしれません。
 デメリットもあるでしょう。権利の問題等もあるでしょうけど、それ以上に電子機器は電池が切れたら終わりじゃないかと思うんです。iPadは曲げられません。お風呂に持ち込むこともできません。デジタルデータは壊れやすいということもあります。保存性は紙のほうがタフだと僕は思います。
 それでも、僕が電子書籍を受け入れる側に立つのは、買うことに対するハードルが下がるのではないかと思うからです。もう1500円も出して本なんか買えないよ、っていう話も直接聞いたことがあります。自分の体験として、iTunesの導入で音楽を買うことに対するハードルがかなり下がったのは事実です。もちろん、レンタルとかも併用していますけど、そういったところに並ばない曲も買える事は自分にとっては大きいのです*1
 だから本もそういうものになっていくのではないでしょうか。そこに僕は期待したいと思うのですが、先日のカンブリア宮殿を見た限りでは、権利の問題が横たわっていたり、多数の電子書店と端末が乱立している状態のようなので、僕自身が考えるようになるには、まだまだ先の話なのかもしれないですね。

 それにしても、栞はいいですね。「本の中なら私は自由だ」とかの栞の恍惚の表情、そしてそのモノローグのときに流れるワルツは最高ですね。

神のみキャラCD.4 汐宮栞 starring 花澤香菜

神のみキャラCD.4 汐宮栞 starring 花澤香菜

ではまた。

*1:ソニー系のレーベルの曲が買えない事は問題ではあるのですが