3−1+4=GT!:Party Rocketsワンマンライブ の話

 12日に渋谷のライブハウスWWWで行われた、パティロケのワンマンライブに行ってきました。
 リリイベや対バンで見ては来ましたが、こうしてワンマンの現場に行くというのは、実のところ初めてでした。
 
 2015年になってからのパティロケはリリースもなく、ワンマンでのライブもなく、あかりちゃんは何故かGALETTeのサポートとしてイベントに出ていました。昨年中に決まっていた乙女新党とのスプリットライブツアー「乙女Rockets」を経て迎えた夏、ドロシーの中野サンプラザでのワンマンがあった時でした。あかりちゃんだけが関係者席にいて、はるちゃんとふみちゃんは一般席にいるという目撃情報があったのです。界隈がざわざわした直後、あかりちゃんは卒業表明してGALETTeに正式加入、グループは残った2人と一緒に放り出され、宙ぶらりんの状態になってしまいました。そこに助け舟を出したのが以前プロデュースを行った@JAMの橋元P。他のアイドルからもサポートを受けて、TIFなどのイベントに出演を続け、メンバー増員、そしてメンバー名をアルファベット表記に変更したことを受けてこの日のライブを迎えたのです。
 
 開場の時間になると入口が客で埋め尽くされて、客席もいっぱいになって、開演となりました。
 最初に出てきたのが2人。新メンバーは出てきませんでした。HARUKA(吉木悠佳)は髪を短く切っていました。
 曲は比較的前の曲が多かったように思いました。ただ、現場数がそれほどあるわけじゃないから、正しいのかどうかわからないけど、ヴォーカルはパワーダウンしているように思いました。1人抜けたのですから。仕方ないのかもしれません。その反面、自分のイメージを超えてすごく激しく踊っていました。客席もなんか変に落ち着いている感じもしました。曲に合わせて細かく変化するクラップとかはそのままなんだけど、自分の中で、MIXを打ったりするノリに慣れすぎてしまっていたのかもしれません。
 同時に思ったのは、これは2人の「けじめ」なんだってことです。
 MCでFUMIKA(菊地史夏)がどことなく涙声で言いました。「ふたりになった時はもう続けられないと思った。でも、たくさんに人にお世話になってきたから、辞めたくなかった。(メンバーが)減ることは流れで知ったからちゃんと聞いてない、別れもいってない」「ライブができないのがつらかった。私がファンならきっと他界してる(涙笑)」
 パティロケの活動の中でメンバーが増えるのは初めてのことですが、逆にメンバーが減ったのは5度目になります。何度となく彼女たちは大人の事情に振り回されてきたわけで、そういう悲しい流れを変えたい、振り切りたい、今思えば、あの激しいパフォーマンスにはそんな気持ちがあったのかもしれません。そして歌われた曲が「スタートライン」。これでけじめのライブが終わるかのような、そんな切ない感情が流れていました。
 
 映像は初顔合わせ、そしてアーティスト写真の撮影の様子を流していました。
 そして映像が終わり、「Let's Go!!」のイントロが流れて6人がステージに飛び出してきました。
 華やかでした。急に舞台が明るくなったような感じがしました。
 人が増えるとこんなに華やかになるもんかな、って思ったくらいです。
 特に新メンバーのNANASEのヴォーカルはすごくよく通っていて。彼女は同じ新メンバーのAYUMIと一緒に過去に別のグループで活動していた経歴の持ち主だそうで、そういうところもあるせいか、即戦力みたいな感じも受けました。でも、あとで聞いた、HIMEKAが涙を浮かべている所とかに気付けなかったのは少し残念に思いました。とはいえ、MCにて明かされたことをまとめると、NANASEとAYUMIのいたグループが脱退者が出たため活動休止になり、そこに新メンバーとして待機していたHIMEKAを加えた3人がパティロケに合流、そしてオーディションで選ばれたARISAは芸能活動が初めてという、そういう体制になったのだそうです。
 この後半部のセットリストはこうなっていて、

11・Let's Go!!
12・イマジンな愛の歌
13・初恋ロケット
14・MIRAIE
15・アゲハ今
16・KASABUTA
17・ROCKIN' HORSE BALLERINA
18・弾丸ハイジャンプ

En1・RAINBOW
En2・セツナソラ

 かなり激しい曲が続くセットリストなのですが、その中で、初舞台のARISAは曲を口にしながら振りをしつつ動いていました。しかし、どうしても動きが小さくて、表情も硬く、芸歴のあるメンバーに比べるとついていくだけで精いっぱいに見えてしまいました。「がんばれ」と声はあげられません。でも、どうしても「がんばれ」という念を送ってしまうのです。しかしながら、彼女は大きな破綻は起こさずに歌い切ったのです。
 
 告知の中でパティロケは「Praty Rockets GT」と改名することが発表されました。
 その発表の仕方は4年前にももクロにZが付いた時とよく似ていて、というか似せたんだろうけど。その瞬間は「改名します!」と画面に出て驚きの声が上がりました。で、そこからパティロケのロゴが映し出されるところなどはももクロの時と似ていて*14年前にそれを見ていた自分は、まさかここでZとかつけたりするんじゃないだろうな、と思っていたらZじゃなくてGTが追加されるということになりました。
 GTって? って感じで客のあいだに微妙な空気が流れ、メンバーも聞かされていなかった様子で、でもそこで「ももクロさんみたい」と言ってFUMIKAは笑いつつも場内をまとめ、最後の曲「セツナソラ」を歌いました。
 Wアンコールの時に橋元Pが登場して説明を行いました。改名や演出はももクロにあやかったこと。GTは「ギャラクシーツアー」の意味だということ。新メンバーについてもいろいろなところに声をかける中で、NANASEとAYUMIの前のユニットの活動停止を聞いて声をかけて、テストを行ったこと。ARISAについては生活環境の変化の必要性が生じることが懸念だったこと。
 
 メンバーのMCを聞いて気づいたことは、新人のARISAを除く5人は、過去に何らかの形で傷を負ってきた子たちだったということでした。メンバーを引き抜かれて放り出された子、脱退者が出て活動できなくなった子、しがらみで自分の希望と反する活動を強いられた子。その子たちがもう一度再起を期そうとして歩き出そうとしています。とにかく、新しいパティロケは賑やかなユニットになりました。新メンバーの色に染められてしまうかもしれません。でも、このままで終われない5人とひとりの新人。「もう誰も抜けてほしくない」。それが今のパティロケなんだと思うと、多少グループの色が変わったりしても受け入れられる、と今は思うのです。
 いわば「傷だらけの飛べないロケット」はもう一度、青空を切り裂いて飛ぶことができるのか? そこも見守っていきたいと思います。

 (前半部のセットリスト)
1・絶対LOVE
2・日常ドリーマー
3・輝くあなたが好きだけど
4・ママには言えない
5・ NO:ID 
6・Shy Shy LOVE
7・臨戦態勢が止まらない
8・Secret Moon
9・Revolution
10・スタートライン

ではまた。

*1:ももクロの時は改名するとか言わなかったから本気でZにすると思ってなかった人もかなりいました。一時的なネタだろうと思っていた人も。