小国が甘美な夢を見るとき。

もう世間的にはワールドカップ*1の話題で持ちきりですが、僕自身も同じようにテレビ見ながら今日は更新しています。今はオランダとセルビア・モンテネグロが試合をしています。オランダ人がみんなしてオレンジ色の衣装を着てスタンドに固まっているせいか、赤い椅子の空席がたくさんあるかのような錯覚すら起きます(スタジアムの椅子は青)。恐るべしオレンジ軍団! ガッタスの現場もこんなになったらすごいんですけど、実際に行ってみたスフィアリーグの現場はそうでもなかったんですよ。そうなったらすごいと思いますけど。


 さて、初出場で勝点1をゲットしたトリニダード・トバゴって国がどこにあるのか。皆さんはパッと浮かびますか? 浮かんだ方、ではコスタリカは? そう言っている僕自身も思い浮かびませんで、カリブ海の島とだけわかる程度です。コスタリカも同じようにカリブ海の島の国だと思っていました。僕のレベルなんてそんなもんです。そういうこともあって、手元に地図帳が欲しくなります。実際の所は地図を見て確認していただければよろしいんじゃないですか? って言っておきますけど。
 
 先日紹介した「世界の作家32人によるワールドカップ教室」、グループGまで読み進めましたけどかなり面白いです。32人の書き手が32の国について書くわけですけど、もともとイギリスの本ですから、全部が全部その国の人が書くわけではないんです。だから個人差はあります。日本だって日本人ではなく「タイム」の日本支局の編集者が書いたわけで、だから「文化的サンプリング」という面白くも核心を突いた言葉が出て来たんだと思うんです。
 僕がその中で興味を持ったのは、いわゆるサッカー強国ではなく、トリニダード・トバゴコスタリカといった中米勢、アンゴラとかガーナとかのアフリカの国でした。これらの国が勝ち進むというのはあまり考えられない。だけど、その国の素顔を読むと俄然と興味が出てくるんですよ。

 かつての植民者と被植民者が相まみえたとき、もしトリニダード・トバゴイングランドに勝つことができたならば、数時間ながら、トリニダード・トバゴの島々は楽園と化すだろう。なぜなら、一か八かの大博打に打って出たとき、勝利の味は何倍も甘美なものになるからだ。トリニダード・トバゴはその昔、限りない犠牲を払ってヨーロッパに甘美な夢を見させてやったのだ。もしかすると、今年のワールドカップでは、われわれトリニダード・トバゴが甘美な夢を見られるかもしれない。

 
 僕は今年のイングランドには、日本同様大いに期待していますが、それだけでなく、そういった国が大国相手にどう戦うのか、そこにも注目してみようかな、と今の僕は思っています。

その前に、明日は日本vsオーストラリアですね。

*1:梨華ちゃんが「W杯」をそのまま「ダブルハイ」と読んだことをネタにヲタ界隈ではダブルハイと書くことが多い