「ウェルカム!Berryz宮殿」の話。

中野と静岡で2本、昨年の「夏夏コン」と同じように見てきました。
今回は「『Berryz宮殿』というアミューズメント施設にキャストとして働いているメンバーが、客席のゲストに楽しい時間を提供する」というのが基本コンセプトのようですが、裏テーマというのがあるのなら「青春」というのがキーワードになるのかもしれません。それは、今回は派手な演出とか、サプライズな選曲とかはなく、ある種、アルバム曲と定番曲をきちっと揃えてきたという印象がします。だから、びっくりするようなこともない。でも彼女たちは伸びているんです。そこを感じたからです。
 18日の中野サンプラザでの公演も21日の静岡公演も、さりげないところでハッとする、そういうところが印象に残っています。例えば、一般にダンサーというのは背の高いほうが見ばえがするように思います。けれども、佐紀ちゃんはベリの中で1番か2番目*1に背が低い。でも彼女の動きは映えるんです。「ハピネス」で手を腰にあてて足を振り出しながらバックステップする。「告白の噴水広場」で後列中央でさりげなくターンをする。それだけでハッとした瞬間が僕にはあって。今回も「愛のスキスキ指数 上昇中」という曲で、後列の中央から一旦左前に出て右に移動という動きがあるんですけど、ただ普通に動くその身のこなしだけで「おお」と思うんですよ*2。そりゃアンタの推しメンだからでしょって意見もあるとは思います。スタンダールの言葉で結晶作用というんですけど、ただ動くだけで惹きつけられるというのはそうはないと思うんです! どうでしょう。
 それに限らず、ベリコンはみんなして踊っちゃうというのが基本というか、それが前以上に多くなって、そういうスタイルがファンの間でも定着したんだと思うんですよ。もちろん全員が振りをマスターしているわけじゃない(自分自身できてないことも含めて)ですし、それが受け入れられない人もいるとは思いますけど、自分の実感としてはやったほうが楽しかった。変に叫んだりとかするのは論外ですけど、そうでない人の一体感は前以上にあったと思います。ステージ上の彼女たちもそういったところは感じていたように思うんです。お互いがハッピーになってこその現場ですし、そういった充実感は感じてほしいと思っています。
 だからそのうえで彼女たちに望むのであれば、細心さの中に大胆さを持ってほしいんです。今回は自分が見た中で、熊井ちゃんとみやびちゃんがMCでうまく言えずに言い直しているんですけど、これも自分の感覚でいえば改めて言い直すほどのものでもないと思うんです。例えば「今回(のツアー)はこのアルバムを中心にお送りします」というMCでカッコ内を言い忘れて言い直しているんですけど、別にそのままでもおかしくない。その一言まで神経を使う細やかさは、真剣さにつながる大事なことだと思いますけど、すべてを形どおりにやらなければいけないわけじゃないとも思うんです。確かに意外性はありませんでした。でも、それ以上に感じることが多かった。最後の曲は「青春大通り」ですけど、いまの彼女たちは高校球児にも負けてないと思うくらい青春していると思います。
 だから、今回の選択に後悔はありません。

*1:もうひとりは桃子

*2:これがこの曲のどこに当たるかは今後発売されるであろうライブDVDでご確認いただきたい