演出家の見た娘。ファン気質の話。

このお盆休みの時に、スポーツニッポン掲載の「シンデレラtheミュージカル」についてのコラムを読む機会があって、その中で演出の酒井澄夫氏が娘。ファンの気質について語っていたのが印象に残っています。

酒井氏はファンの気質をこう語っています。

共演者への応援も忘れないやさしさがある。粗野だけどもルールを守るし、ある種の純粋性を感じた。

それを酒井氏は娘。のメンバーの中に起因する、と見ていました。

彼女たちの最大の特長は"教えあう"ことです。・・・・・・そのひたむきさから出る"かわいい色気"を大人になりきれない男性が夢中になる。タカラヅカの中世的な魅力にひかれる女性たちと同様、これもひとつのファンタジーだと思います。

つまり娘。のファンは「粗野である」「大人になりきれない」と見られている反面、「やさしさがある」「ルールは守る」「純粋である」という評価を受けています。これは10年の活動を経て成熟したのか、それとも、ただ熱狂的な部分がなくなったのかという感覚も僕の中に浮かんだのですが、決して悪い評価はされていないわけですよね。

最近、神宮花火のベリキューのステージにおいて、一部のファンの振る舞いが問題になっているようですが、ベリキューのファンも「粗野である」「大人になりきれない」やその反面の「純粋である」という面があることは娘。のファンと一緒なのかもしれません。けど、一部のファンに「やさしさ」や「ルールを守る」という面が欠けていたのかもしれません。
ではどうすれば、この気質は変わるのだろうと思うのですが、結局は個人が意識を持つってことになってしまうのだろうか、と思うのです。ただ、現場数が少ないのではっきりとした確証はないのですが、こういうことを一人でやってしまう人はあまりいないようにも思うんです。つまり、集団意識が「やさしさ」をどこかに飛ばしてしまう。そう思うと、ちょっと悲しいですね。そういうものが持てるのであれば、もっとベリキューの現場もビギナーにも入りやすい環境になっていくのではないかと考えるのですが、どうなんでしょう。


●追記
誰のファンはどういう気質だっていう比較論はしたくありません。
あくまで改良の側面で考えていただければと思います。
ミュージカルには近日参加予定ですので、現場レポはそのときにでも。