なにがそんなに悲しくて。それでもどこかにいけなくて。の話

 職探しの帰りに某書店に行った時に見つけたのが「傷だらけの店長 〜それでもやらねばならない〜」という書籍でした。
 出たのが去年の夏で、その頃はぜんぜん気にしてなくて、今日棚の中で偶然に見つけた書籍だったんですね。
 それでパラパラ読んでみたんですけど、自分が長年書店員だったせいか、この店長に感情移入してしまうんですね。全部読んだわけじゃないし、自分はリーダーはやったけど店長やったことないし、この中の人ほど優秀でもなかったし。でも、「俺たちの店は違う!」って世間とかと張り合っていたあがきっぷりは通じているような気がしています。それだけ自分も本も本屋も好きだったし。でも、そういう自分は未熟だったから店がつぶれる前に自分がつぶれてしまって、この中の人は大型チェーン店の進出で店が閉店に追い込まれ、退職してしまう。あがいてあがいてあがいている、そこが凄く悲しくて。なにが悲しくてこういう作業をしていたんだろう。好きだからやっているんだろう、と本部にそういう足元を見られるようなことを思われていたり*1していたのかもしれません。そういうことを思い起こさせるような本だったんです。
 ただ、今思うならば、そういう悲しみを背負いながら、未練を断ち切るようなことを書きながら、それでも、この作者は本屋の現場に戻っていくような気がして仕方がありません。ずっとそういう仕事が好きで、だから、それが自分の天職だと思っている人のような気がする。自分以上に力があって、だからそれだけ、いろんなものを背負っていて。
 そういうことを思ってしまうと、何かをしなければ、自分も未練を断ち切れないような気がしてしまう、周りがどんどん追い抜いていくような中で、自分は一体なにをすればどうすればって、思っちゃうんだけど。だから、何かのスタートラインを見つけたいけど、それがどこにあるのかがまだ見つからない、そんな気持ちがここ数日、さまざまな出来事とシンクロしています。だから自分は、一見愚痴ばっかりのようで、でもどうしようもない悲しみを背負ったこの本をレジに持っていくことができなくて、結局買いませんでした。でも、この本の存在を知ることができたこと、それはよかったと思っています。

なんか愚痴っちゃった。
ではまた。

*1:それ故に安い給料だったりすることもあったかと思います。自分はそういうことを店のトップに言われたことがあります