『おじクロ』見てきました。の話

 紀伊國屋ホールで行われた劇団ラッパ屋『おじクロ』を見てきました。東京での公演は今日が千穐楽*1で、客席は満員という状態で早めにチケットを確保しておいてよかったと思いました。

かなりヘビーだが笑ってみせる。それはももクロの少女たちの志でもあるが、ラッパ屋の芝居の志でもある。僕がももクロを好きになった一番の理由は、たぶんそれなんだな。大変な時こそ笑っていこう。今年、ももクロが人気になったのは、そんなことも関係あるんじゃないかと思ってます。(脚本・演出:鈴木聡)

 座席に置かれたチラシにはそういう言葉があったんですけど、物語を簡単に言ってしまうと「町工場のオヤジたちがももクロにはまってしまって、皆を元気づけるためにももクロを踊る」。ですが、「俺たちには夢がある、それをみんなで勝ち取ろう!」、そこにももクロが絡む、みたいなものではない。目の前には年代差や経済の現実的な問題が立ちはだかる。現実の高い壁に向かって「まだおれたちは負けてない、負けちゃいないんだ!」っていうのは言葉にするのは簡単だけど、劣勢の中で自分を奮い立たせ行動することは中々難しいことだと思う。あしたのジョーみたいに燃え上って真っ白な灰になってしまうようには生きられない。でもこの心中でくすぶっている火、その火を再び燃え上らせたもの、それこそが、この舞台の場合はももクロの全力パフォーマンスだったというものでした。
 だから、どうしても自分の人生と重ねてしまうし、そこがやっぱり哀しいというか切なくて、そうだからこそ笑ってしまう。そんな感じの舞台でした。
 でもそういった切ないだけの芝居じゃなくて、ファンにはたまらない要素がいっぱい。オヤジたちが一生懸命にももクロの良さを語るところはもう本当にヲタそのもの。自己紹介も全員取り入れてあるので、どうしたって声出したくなっちゃう。自分は「(パンパンパンパン)ちっちゃい、けれど、元気で」に「ありやーす!」って叫びたくなっちゃうのをこらえてましたし、本当にすごく笑いました。最後は役者さんが「怪盗少女」を踊るんですけど、当然踊りとか不格好だし、エビジャンプも夏菜子みたいに飛べてはいないんだけど懸命に踊っていると、脳内でコールとかももクロmixが聞こえてきて興奮しました(何人かペンライト振っていた人いましたけどね)。
 さすがに小倉まで遠征するには遠すぎる。だから千穐楽だけじゃなくてもっと前の日も行けばよかったと思いました。
 役者さんは満身創痍だそうで、再演は大変かもしれませんけど、またやるんであれば、見に行きたいですね。
 ももクロのライブDVDも見たくなったので、もうちょっとしたら、何か買うかもしれません*2
 ではまた。写真は座席で配布のチラシと怪盗少女を踊った時に客席に発射された銀テープ。5色分拾ってきました。
参考)「ももクロ」がオヤジたちの人生を変える理由――劇作家・鈴木聡インタビュー - 日経トレンディネット

*1:11月23日に北九州市で公演があります

*2:Zになってからはまだ買ってませんすいません