「アイドルのいる暮らし」の話。

 もともとはタワレコのサイト連載記事だったんだけど、これが4月に書籍になって、自分はその時に手に入れていました。
 サイトでの連載の時から読んでいましたから、書籍になって新鮮さというものがあるわけではないのですが、活字になって読んでみると新しい発見というのも起きてきます。
 「距離感」というのはこの本の一つのキーワードだと思うのですが、離れてしまっても楽しめない、近づきすぎても意識が違ってくる、登場するそれぞれの人が、それぞれのやり方で間合いを持ちつつアイドルと接しているように思います。いろいろ現実のアイドル界でも様々な出来事が起きていますけど、読んできて思うのは「アイドルとかヲタとかいろいろ立場はあるけど、結局は人と人なんだ」ってことです。だから、自分は現場に行っていない割にはアイドルに物語のようなものを探そうとするし、過去に接した人の中には、自分より現場に行っていながらも、駒、もしくはデータみたいにアイドルを語る人もいます。だから、それぞれのヲタがそれぞれの距離感で接していくのが面白かったです。

 書籍になって追加されたのが、ももクロのファン5人による座談会で、自分の知らない「怪盗少女」より前の時代のイベントのことを語られているのですが「この時代にいたら自分はどうしただろう」って考えてしまいます。多くて200人とかそういう規模で歌っていた人が2000人とかになって、今じゃ20000人とかそれ以上の人の前で歌うようになる。売れてくることによって距離感も変わってきて、本人が変わってしまう。そういう所も含めて面白い書籍だと思います。
 書籍は今日、朝日新聞の書評に掲載されたので、もう少し手に入れやすくなるのかなって思っているところです(書評になると店頭に並べる店は増えるので)。

アイドルのいる暮らし

アイドルのいる暮らし